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公式戦最多連勝記録を伸ばし続け、快進撃を続ける中学生プロ棋士の「藤井聡太」さん。
彼の強さの秘密には、幼少時代に受けた「モンテッソーリ教育」が関係していると言われています。
そこで今回は、モンテッソーリ教育とはどんな教育方法なのか、どこで受けることができるのかなど、ご紹介していきたいと思います。
小さなお子さんをもつ親御さんは必見です。
目次
モンテッソーリ教育の目的は自主性を育てること

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モンテッソーリ教育の目的は「自立した子供に育てること」です。日本モンテッソーリ教育綜合研究所は、モンテッソーリ教育の基本を次のように説明しています。
モンテッソーリ教育の基本は、「子どもは、自らを成長・発達させる力をもって生まれてくる。 大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない」
参照元:日本モンテッソーリ教育綜合研究所
一般的に「子供を教育する」と言うと、最初に大人が子供に何かを教えるというイメージですよね。
でもあなたは子供の時、こんな経験をしませんでしたか?
「本当はやりたくないのに、先生からやりなさいと言われて、嫌々やっていた…」
人は誰しも、自分の好きでないことはやりたいと思わないし、やはり嫌々やっている間は覚えも悪いです。
しかし、子供は本来生まれたときから、”知りたい”という知的欲求を持っています。何かを見聞きしたら、気になって仕方がありません。

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たとえば、赤ちゃんは触れたものを何でも口に入れてしまいますが、これは目の前にあるものが何なのかを判断するために、舌を使って情報を得ようとする、つまり知的欲求からくる行動です。
モンテッソーリ教育は、子供が興味を持ったものに対して、大人がそれを学べる環境を提供することで、子供が自ら学び成長していくというスタンスをとっています。
もちろん教師は子供が困っていたら教えるというサポートを行いますが、基本は子供が何に興味をもっているのかを常に観察し、それを学べる環境を与えていくことです。
そのため、モンテッソーリ教育も一般の教育と同様にカリキュラムは用意されてますが、授業では子供の自主性が尊重されるため、必ずしもカリキュラムに沿って授業が進むわけではありません。
モンテッソーリ教育を受けると、どんな子供に育つのか?

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モンテッソーリ教育の目的は「子供の自主性を育てること」とお伝えしましたが、授業を受けることで子供はどんな風に成長していくのでしょうか?
- 新しいことを学ぶのが好きな子供になる
- 自ら積極的に行動していく子供になる
- 問題解決能力の高い子供になる
言い出したらキリがありませんが、大方このような感じです。
子供はモンテッソーリ教育を受けることで、「知る楽しみ」を覚えます。
「知ることは楽しいことだ」と学習しているため、成長過程においても「新しいことをどんどん学びたい」と思いますし、そのためには「自分で実際に考えて実行」します。
結果、何か問題が起きてもそれを解決するにはどうすればいいのだろうと自ら考え行動することができるようになるので、問題解決能力の高い子供に育つのです。
そのため、モンテッソーリ教育は子供を有名な学校に入学させたいと思っている人たちからも非常に注目を集めています。
わがままな子供に育つことはないの?

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モンテッソーリ教育は、自主性を育てるという意味で素晴らしい教育なのですが、ここで一つ疑問に思うことがありました。
それは「わがままな子供になるのではないか?」という疑問です。
先ほどモンテッソーリ教育では子供の自主性が尊重されるので、授業は必ずしもカリキュラム通りに進まないことをお伝えしました。
つまり、子供が「やりたくない」と思ったことは徹底的にやらない=わがままな子供になる、協調性がなくなるのでは?と思ったわけです。
そこでいろいろと調べてみたところ、モンテッソーリ教育に使う教具を販売しているASAKOさんが、モンテッソーリ教育を実際に受けた子供たちとのインタビューをブログ内で掲載していたため、抜粋します。
生徒への質問「モンテッソーリ出身者が他の人と違うと思うところはあるか?」
・先生やカウンセラーの先生に頼る学生が多いが、僕はモンテッソーリスクールで、自立することを学んだ。必要なら先生にアドバイスを求めることも出来るが、今のところ、その必要性は感じない。
・私は、他の学生と比べて精神的に成熟していると思う。クラスにはどうでもいい些細なことを大げさに騒ぐ人がいるが、本当に些細なこと。もっと大切なことが他にあるのに、と思う。
・僕は、相手に対して尊敬の気持ちを持って接することができる、というところが、モンテッソーリ卒業生の共通点だと思う。モンテッソーリでは小さい頃から、自分も、相手も大切にすることを学んできた。相手を大切にする気持ちをもって話しかけるから仲の良い友達もすぐに出来る。たとえ意見が合わないときでも、相手を怒らせるような言い方はしない。
モンテッソーリ教育では、自主的活動を行っていく中で、「自分を知る」と同時に「社会の中での自分の立ち位置を知る=相手を尊敬して行動する」という気持ちが芽生えるので、協調性がなくなることでわがままになったり、社会不適合な子供になったりするわけではないようです。
数々の著名人もモンテッソーリ教育を受けていた
冒頭では、いま将棋界で話題の藤井聡太さんがモンテッソーリ教育を受けていたことをお話ししましたが、実は世界的に影響力のある数々の著名人もこの教育を幼い頃より受けていたことが分かりました。
以下、モンテッソーリ教育を受けてきた代表的な著名人の方々です。
・Google 創業者「ラリー・ページ」「セルゲイ・ブリン」
・マイクロソフト創業者「ビル・ゲイツ」
・amazon 創業者「ジェフ・ベゾス」
・Facebook 創業者「マーク・ザッカーバーグ」
・ウィキペディア創始者「ジミー・ウェールズ」
・経営学の第一人者「ピーター・ドラッカー」
いかがでしょうか?いずれも、今の私たちの生活になくてはならないサービスや商品を生み出してきた人たちばかりですよね。
自主性を育てる、自由な創造性を育むモンテッソーリ教育だからこそ、こういったビジネスの場でも活躍できるような人材になれるのでしょう。
モンテッソーリ教育を行っている学校は?授業料はいくら?

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ここまでモンテッソーリ教育の特徴、メリットなどについて見てきましたが、素晴らしい教育方法ということがわかりましたね。
では、実際に日本でモンテッソーリ教育を受けられる学校はどこにあるのでしょうか?
現状、モンテッソーリ教育を実施している学校の全てを把握することは不可能ですが、日本モンテッソーリ教育綜合研究所が教育実施園のリストを掲載していたので、気になる方は以下のページを参考にしてみてください。
モンテッソーリ教育実施園リスト(日本モンテッソーリ教育綜合研究所)
また、授業料ってどれくらいなんだろう…と思う人もいますよね。
そこで、日本モンテッソーリ教育綜合研究所が運営している『子どもの家』の授業料をピックアップしたので、下記をご覧ください。
クラス | 対象 | 諸費用 |
附属『子どもの家』幼児部 | 2歳半~5歳
(授業は月~金までの週5日、保育時間は3~5時間) |
1. 選考料(面接時に支払い) 5,100円 2. 入園料(入園決定後に支払い) 205,200円 3. 教育料(教材費含む) 月額41,040円 4. 施設料(冷暖房費含む) 年間61,560円 (入園時、2年目から毎年4月支払い) |
附属『子どもの家』小学部 | 小学1年生~6年生
(授業は毎週1回水曜日、午後3時から午後5時) |
1.入部料10,260円(ただし『子どもの家』卒園児童は不要)
2.授業料 10,260円(8月を除く毎月) 3.施設料 26,730円(冷暖房費込み。年1回4月に、途中入部の場合は初回月に支払い) 4.特別活動費 実費(必要が生じた場合) |
附属『子どもの家』たんぽぽクラス(体験教室) | 1歳半位~
(体験型の授業で1回1時間) |
参加料 3,030円 |
附属『子どもの家』2017 夏期教室 | 幼児の部:3歳から未就学児
学童の部:小学生 (体験型の授業で1回2時間) |
参加料 3,030円 |
参照元:日本モンテッソーリ教育綜合研究所
付属「子どもの家」には定期的に通う2つのクラス「幼児部」「小学部」、体験型のクラス「たんぽぽクラス」「夏期教室」があります。
費用はクラスごとに変わってきますが、一番高いのは附属『子どもの家』幼児部です。
幼児部は、週5日制(月曜日から金曜日) で、月・火・木・金は「午前9時半〜午後2時」、水曜日は「午前9時半〜正午」が保育時間となっており、他のクラスに比べて授業時間が長いので料金も高いんですね。
ちなみに小学部の授業は、毎週水曜日の午後3時から午後5時までの1回なので学校というよりは公文などの習い事に近い感じでしょうか。
日本では残念ながら、文科省が小学校課程におけるモンテッソーリ教育を正式に許可していないので、必ず文科省が認定している小学校に籍をおいた上で通う必要があるのです。
一方アメリカでは、モンテッソーリ教育の小学校中学校は合わせて354校あるそう…
日本とアメリカの教育方法の差を感じますね。
モンテッソーリ教育は家庭でもできる!

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モンテッソーリ教育は、子供の自発性を高めることが目的のため、学校に通わなくても家庭でも実践できるのですが、そのためにはまず環境を整える必要があります。
モンテッソーリ教育の場で、子供の自発性を高めるために必要な環境は以下の4つです。
1.子どもが自分で自由に教具を選べる環境構成。
2.やってみたいなと思わせる、おもしろそうな教具
3.社会性・協調性を促すための、3歳の幅を持つ異年齢混合クラス編成
4.子どもそれぞれの発達段階に適した環境を整備し、子どもの自己形成を援助する教師
参照元:日本モンテッソーリ教育綜合研究所
3・4に関しては、家庭で行うことは難しそうですが、
1.子どもが自分で自由に教具を選べる環境構成。
2.やってみたいなと思わせる、おもしろそうな教具
この2つは家庭でも取り入れられそうですよね。
では、モンテッソーリ教育をするうえで使えそうな教具はどのようなものがあるのでしょうか?評価が高い商品をいくつかご紹介していきます。
kimurea select (キムレアセレクト) シリンダー ブロック 円柱さし
1歳半から2歳以上(24ヶ月)の子供に適した知育玩具です。
型はめはもちろん、積んだり転がしたりすることで自然と形を認識できるようになったり、集中力アップ、指先の器用さを鍛えたりもできます。
くまのひもとおし
3歳以上の子供に適した知育玩具です。
赤・青・黄・緑・白と色とりどりのクマさん型プレートが50枚入っており、ひもを通して遊んだり、数遊びやサイコロと組み合わせてオリジナルなゲームを考えたりなど、自由な遊び方ができるのが特徴です。先ほどの商品より少し難易度は上でしょうか。
LOTUS LIFE (ロータスライフ) 木製ドミノ アルファベット 104ピースセット
こちらは、ドミノ倒し碑にアルファベットが描かれた商品です。
ドミノ碑を並べていくことで集中力アップ、手先の器用さを鍛えられると同時に、楽しくアルファベットを覚えられます。
ドミノはカラフルな人形の形をしているので、可愛いフォルムに子供も大はしゃぎするようです。
ハバ ゲーム スティッキー
3才くらいから遊ぶことができる知育玩具です。
3色のたくさんの棒で支えられた柱を崩さないようにしながら、サイコロで示された色の棒を一本ずつ抜いて得点を競うゲームで、なんと愛子様も遊んでいらっしゃったことで知られる皇室御用達の知育ゲームなのです。
ゲームを通して、崩さないように棒を選ぶ観察眼やそっと抜く手先の器用さを鍛えられたり、ルールを理解し守ることの大事さを学んだりできます。
キュボロ (cuboro) キュボロ スタンダード
こちらは、藤井聡太さんも幼少の頃遊んでいた「キュボロ(ccuboro)」というおもちゃです。
対象年齢は4歳からですが、大人も遊べるくらい奥が深い作りとなっています。
遊び方は、溝の付いた立方体を組み合わせて、上から落とした玉が下まで落ちる道を工夫して作り上げるというものです。ピタゴラスイッチのような感じですね。
こちらの商品はスタンダードタイプのもので、12種類のパーツ、計54個の立方体で構成されています。
キュボロ (cuboro) キュボロ クゴリーノ
こちらはキュボロ クゴリーノというシリーズです。
長い道や、色のついたパーツが含まれていて、組立てのわかり易さが特徴的で、2歳くらいから遊ぶことも可能です。
パーツはスタンダードシリーズよりも少ない37個ですが、値段も1万円ほど安いので、入門モデルとしてはクゴリーノが良いですね。
知的玩具を探すなら…
モンテッソーリ教育では、決まった玩具を使う必要はないため、子供が興味を持って楽しめそうな商品を選ぶことが大切です。
ただ、一般のお店では知的玩具はあまり多く置いてないですし、どれがいいか分からないと思うので、楽天市場やAmazonのレビューを見ながら購入したり、知育玩具専門のオンラインショップから購入するのがいいでしょう。
こんな感じの面白い知育玩具を扱っているオンラインショップあるので、参考にしてみてくださいね。
モンテッソーリ教育をもっと知りたい人へ

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今回は「モンテッソーリ教育とはどんなものなのか」を見てきましたが、なかなか魅力的な教育方法だということが分かりましたね。
もっとモンテッソーリ教育について知りたい!と思った方は、以下の本を読んでみたら面白いかもしれません。Amazonでベストセラーになっている本で、レビューも5段階中4.5と非常に高くなっているので、おすすめです。